オーナーから一方的に立ち退き要求|拒否することはできる?
賃貸物件のオーナーから急に立ち退きを要求され、すぐに出て行く必要があるのかと困っているひともいるかと思います。
本記事では、オーナーから一方的に立ち退きを要求された場合、拒否できるのかを解説します。
借主は原則として拒否できる
賃貸物件のオーナーから一方的に立ち退き要求をされた場合、原則として借主は拒否することが可能です。
賃貸借契約の期間が満了となるタイミングであったとしても、オーナーが契約更新を断るには必ず正当事由がなくてはなりません。
立ち退きを拒否できないケース
立ち退きを拒否できないケースは以下の通りです。
- 定期建物賃貸借契約の期間が満了する
- 借主に債務不履行がある
- 賃貸借契約の更新を断る正当事由がある
- 都市計画などに伴う土地の収用
それぞれ確認していきましょう。
定期建物賃貸借契約の期間が満了する
立ち退きを拒否できないケースとして、定期建物賃貸借契約の期間が満了する場合が挙げられます。
定期建物賃貸借契約をしている場合、契約期間が満了になると、更新されずに確定的に賃貸借契約が終了するため、借主は退去しなければなりません。
借主に債務不履行がある
立ち退きを拒否できないケースとして、契約によって約束した義務を守らない債務不履行が貸主にある場合が挙げられます。
- 3か月以上家賃を滞納している
- 無断で転貸(又貸し)している
- 居住用として借りているのに事務所や店舗などとして目的外使用をしている
- 無断で増改築をしている
賃貸借契約の更新を断る正当事由がある
立ち退きを拒否できないケースとして、オーナーが賃貸借契約の更新を断る正当事由がある場合が挙げられます。
以下のような正当事由がある場合、契約期間が満了となる1年前から6か月前までの間に、借主に対して更新を拒絶する旨を通知し、賃貸借契約を終了させられます。
- オーナー自身に物件を使用する事情がある
- 建物の老朽化が進んでいるため取り壊す
- オーナーによる立ち退き料の申し出があるなど
都市計画などに伴う土地の収用
立ち退きを拒否できないケースとして、都市計画などに伴い土地が収用される場合が挙げられます。
土地の収用とは、国や地方公共団体などが公共事業のために必要な土地や建物を取得する制度で、土地収用法によって定められており、この場合立ち退きを拒否することはできません。
まとめ
本記事では、オーナーから一方的に立ち退きを要求された場合、拒否できるのかを解説しました。
借主は、原則として立ち退き要求の拒否が可能ですが、債務不履行や賃貸借契約の更新が拒絶される正当事由があるなど、拒否できないケースもあるため注意が必要です。
立ち退きを要求されていて困っている場合は、弁護士に相談することも検討してみてください。
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河原 誠Makoto Kawahara
私は、大阪市、芦屋市、西宮市、神戸市を中心に「クライアントの皆様と一緒に悩み考え、クライアントの皆様にじっくりとご説明し、結論に納得していただくためにオーダーメイドの事件処理をする」をモットーに幅広い法律問題に対応しています。
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- 所属団体
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- 大阪弁護士会 子どもの権利委員会
- 大阪弁護士会 法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会 委員(少年担当)
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 当番弁護士・委員会派遣事業審査担当
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 刑事弁護援助金審査担当
- 大阪弁護士会 紛議調停委員会
- 大阪弁護士会 市民窓口担当員
- 社会福祉法人みおつくし福祉会 弘済のぞみ園、同みらい園 第三者委員
- 芦屋市 市長等倫理審査会(2012年4月~2022年3月)
- 大阪家庭裁判所 家事調停委員 (堺支部担当)
- 法務省法制局 大阪少年鑑別所視察委員会(2021年4月~2024年3月)
- 経歴
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- 1986年(昭和61年) 関西大学法学部卒業
- 1993年(平成5年) 司法試験合格
- 1994年(平成6年) 最高裁判所司法研修所
- 1996年(平成8年) 弁護士登録(修習48期)。木村法律事務所就職
- 2002年(平成14年) 事務所設立