不動産トラブルの種類
不動産トラブルにはさまざまな種類があります。
本ホームページでは、不動産トラブルの典型例をいくつか紹介したいと思います。
◆物権的トラブル
・二重売買
同じ不動産を2人の人物に売却されていたようなトラブルです。
この場合に買主は、所有権移転登記を先に備えた方が当該不動産を取得することになります。
問題となるのは、自身が先に売買契約を締結していたにもかかわらず、売主が後に他の人物に不動産を売却し、さらに所有権移転登記までしてしまっていたような場合です。
この場合は先に売買契約を締結していた側は、後に不動産を購入した人物が背信的悪意者でなければ対抗をすることができません。
背信的悪意者とは、当該不動産の売買契約が既に締結されていることを知りながら、新たに取引関係に入ったというような、信義則に反するような背信性が認められる場合に認定されます。
・境界線の問題
隣地の方と不動産の境界線がどこであるかという点でトラブルに発展するというのは、典型的な事例となっています。
境界線は、原則として法務局に登録をすることで設定がなされています。この登録情報では、それぞれの土地の面積についても記載がされています。
しかしながら、測量から長い時間が経過したことによって、土地の境界がどこであるのかということが曖昧になってしまうケースがあります。
そこで、勝手に越境をして塀や建物を建築してしまったというようなことが起きてしまいます。
境界線に関しては、基本的に法務局に測量をしてもらうことで、確定をしますが、この方法はあくまで客観的な境界線が設定されるだけに過ぎません。
もっとも、合意によって境界線の位置を自由に定めることもできます。しかしこの方法は、公的な決定ではないため、あくまで隣人間での合意ということになります。
◆相続・遺産分割関係のトラブル
・相続による土地分割
相続が発生した場合には、相続財産となる不動産は、各相続人の法定相続分に応じて分割されて共有状態となります。
しかしながら、自身の共有持分権を大きく超過して、他者に売却をしてしまうというようなトラブルが発生する可能性があります。
このようなトラブルを回避するためには、土地を法定相続分に従って分割するよりも、土地を売却することで現金化し、その現金を分配する方が良いでしょう。
また、土地を自由に利用処分したいというものがいるのであれば、その者に土地を全て相続させ、その他の財産の配分を諦めてもらうといった方法も考えられます。
このように相続財産をどのように配分するかは、遺産分割協議によって定めることができます。
◆契約関係に関するトラブル
・心理的瑕疵
心理的瑕疵とはいわゆる事故物件と呼ばれるものです。
賃貸を仲介する不動産会社は、紹介する物件に以前の住民が住居内で死亡していた場合には、それを直ちに報告する義務があります。
しかしながら、そのような不動産は、前住人の死亡後にまた新たな入居者が入った場合には、瑕疵が治癒されたとされ、その後報告する義務を負いません。
この心理的瑕疵の判断基準は非常に曖昧なものとなっていますが、宅地建物取引業法47条1号二において、基準が設けられています。
具体的には、「相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」となっています。
単に病死などのような場合であれば、ある程度許容できるという方がいらっしゃいますが、自殺や他殺などのような事件性のあるものなどに関しては、忌避される方がいらっしゃいます。
そこで形式上は瑕疵が治癒されたとしても、トラブルを避けるために事前に告知をしておくことをおすすめいたします。
河原誠法律事務所は、大阪市北区西天満に位置する自己破産手続きや相続を含めた不動産屋トラブルに強い法律事務所です。
当事務所は、大阪市を中心とした大阪府はもちろん、芦屋市、西宮市、神戸市といった兵庫県や、京都府、奈良県など関西地域にお住まいの方からご相談を承っており、上記の他にも、離婚や遺言、金銭トラブル、企業法務や債権回収など様々な法律問題について対応を致しております。
不動産トラブルでお悩みの方は、河原誠法律事務所までお気軽にお問合せください。初回のご相談は無料にてご相談いただけます。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
離婚裁判の基礎知識|...
離婚調停でも離婚やその条件の合意に至らない場合には、離婚裁判で離婚の成立を図ることもあります。本稿では、離婚 […]
-
離婚の原因
■法律上必要な離婚するための原因とは? 離婚には協議離婚、裁判離婚など様々な方法がありますが、夫婦の一方による […]
-
不動産トラブルの事例
不動産に関するトラブルは、さまざまな場面で起こります。 所有権や抵当権などの権利関係に関するトラブル、相続や […]
-
離婚手続の流れ
■離婚手続きの流れ 離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚という4種類の方法が存在します。 それぞれ […]
-
遺言書の作成を弁護士...
遺言書作成を弁護士に依頼することは、遺言書の効力を確実に発揮させることにつながります。 遺言書に […]
-
離婚調停とは
■離婚調停とは 離婚調停とは、夫婦間における話し合いによって離婚について合意に達しなかった場合や夫婦の一方が配 […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
資格者紹介
Staff
河原 誠Makoto Kawahara
私は、大阪市、芦屋市、西宮市、神戸市を中心に「クライアントの皆様と一緒に悩み考え、クライアントの皆様にじっくりとご説明し、結論に納得していただくためにオーダーメイドの事件処理をする」をモットーに幅広い法律問題に対応しています。
ご依頼者様の利益を第一に考え、早期解決のため尽力いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
- 所属団体
-
- 大阪弁護士会 子どもの権利委員会
- 大阪弁護士会 法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会 委員(少年担当)
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 当番弁護士・委員会派遣事業審査担当
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 刑事弁護援助金審査担当
- 大阪弁護士会 紛議調停委員会
- 大阪弁護士会 市民窓口担当員
- 社会福祉法人みおつくし福祉会 弘済のぞみ園、同みらい園 第三者委員
- 芦屋市 市長等倫理審査会(2012年4月~2022年3月)
- 大阪家庭裁判所 家事調停委員 (堺支部担当)
- 法務省法制局 大阪少年鑑別所視察委員会(2021年4月~2024年3月)
- 経歴
-
- 1986年(昭和61年) 関西大学法学部卒業
- 1993年(平成5年) 司法試験合格
- 1994年(平成6年) 最高裁判所司法研修所
- 1996年(平成8年) 弁護士登録(修習48期)。木村法律事務所就職
- 2002年(平成14年) 事務所設立