裁判員裁判の危機
少し前のこと(平成24年12月4日)になりますが、70日を超える日程を経て結審した裁判員裁判から解放された裁判員が記者会見で下記のように発言したそうです。
引用開始
■ 被告が肉声を発したのは、初公判の罪状認否と最終意見陳述での「私はやっていません」のみ。40代の男性は「自分がやっていないというなら、その根拠を言ってほしかった」と振り返り、米子市の男性は「無実なら黙秘は駄目だ」と話した。■
引用終わり
このコメントはいただけません。裁判制度をちゃぶ台返しするような、とんでもない発言です。そして、この裁判員を担当した裁判官のレベルも貶めました。
・・さらに、普段「権力の監視」と言いながら、脳天気に記事にしてコメントをつけない新聞社にも改めて幻滅です。
床屋や風呂屋、居酒屋で、ほろ酔い気分で庶民が語るにはやむを得ないかも知れませんが、国家権力を行使する裁判員が、「無罪推定の原則」を理解せず裁判をしているのは許されざる暴挙ですし、それを指摘できないマスコミでは「権力の監視」など出来るはずもありません。
言うまでもなく、無罪推定の原則とは、検察側が有罪であることを合理的疑いを入れない程度に立証できなければ有罪とすることは出来ないという理念であり、憲法に明記されています。無罪の根拠など述べる必要はありません。検察が有罪の根拠を述べその存否を裁判員が判断しなければならないのです。大体、やっていないのであれば、根拠も何も自分の関係ないところで起きた事件について、何を語ればいいのでしょう?
裁判員裁判の制度自体を揺るがすとんでもない裁判が行われたと言わざるを得ません。
http://www.nnn.co.jp/news/121205/20121205010.html
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- 所属団体
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- 大阪弁護士会 子どもの権利委員会
- 大阪弁護士会 法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会 委員(少年担当)
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 当番弁護士・委員会派遣事業審査担当
- 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 刑事弁護援助金審査担当
- 大阪弁護士会 紛議調停委員会
- 大阪弁護士会 市民窓口担当員
- 社会福祉法人みおつくし福祉会 弘済のぞみ園、同みらい園 第三者委員
- 芦屋市 市長等倫理審査会(2012年4月~2022年3月)
- 大阪家庭裁判所 家事調停委員 (堺支部担当)
- 法務省法制局 大阪少年鑑別所視察委員会(2021年4月~2024年3月)
- 経歴
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- 1986年(昭和61年) 関西大学法学部卒業
- 1993年(平成5年) 司法試験合格
- 1994年(平成6年) 最高裁判所司法研修所
- 1996年(平成8年) 弁護士登録(修習48期)。木村法律事務所就職
- 2002年(平成14年) 事務所設立